前回はShopify Plusの機能として「カート内の複雑な送料計算を実践する方法」についてご紹介しました。
今回はクーポンだけではできない「複数属性へ向けての柔軟な割引対応」について解説します。クーポンはECの定番施策の一つですが、Shopify Plusではより複雑かつ柔軟な割引サービスを実現可能です。
Shopifyで割引対応を実施する上での課題
Shopifyではクーポン発行による割引機能が提供されています。キャンペーン期間のみ利用できるクーポンの発行や、メールでのクーポンコード送付など、便利に利用できる機能ですが、複数クーポンを併用できないという制限もあります(一部例外除く)。
アプリを利用すれば、制限を回避することもできますが、複数な割引の掛け合わせによるトラブルや、アプリの干渉での表示スピードの低下といったデメリットが発生します。
Shopify Plusならscriptを使って柔軟な割引対応が可能
そこで活用したいのが、Shopify script(スクリプト)です。Shopify scriptはShopify Plus向けの機能で、短いコードを記述するだけで複雑な条件設定を実現できます。今回の課題として挙げている「複数属性へ向けての柔軟な割引対応」にも対応でき、事業者にとっては作業工数を大幅に軽減することが可能です。
またShopify scriptはサーバー側で動作を実行するため、アプリの干渉や表示スピードの低下といった懸念材料を解消できる点もメリットです。
もちろん複雑な条件設定を実現できれば、ユーザーに多様な選択肢を提供できるため、利便性の高い割引サービスを提案することができます。
Shopify scriptの種類
さてShopify scriptは今回ご紹介した割引設定をはじめ、前回の記事で解説した送料計算などさまざまな機能を追加することができます。
scriptには3つの種類が用意されており、それぞれ以下のようなscriptの作成が可能です。
項目script:カート内の項目に作用し、価格の変更やディスカウントの付与などが可能
配送script:配送方法の変更や配送料のディスカウントなど可能
決済script:決済ゲートウェイサービスの名前の変更、非表示、並び替えなどが可能
各scriptを利用することで、事業者やユーザーのニーズに応じた複雑な条件設定を実現できます。
各scriptごとにテンプレートが用意されている
Shopify scriptには各scriptの種類ごとに、それぞれテンプレートが用意されています。
ヘルプセンターの「Script Editor アプリ」から「スクリプト例」を選択すると、各scriptごとのテンプレートが表示されます。
- 金額ごとの段階的なカートディスカウント
- 金額ごとの段階的なディスカウント
- 数量ごとの段階的な商品ディスカウント
- 商品購入による段階的な商品ディスカウント
- 商品のディスカウント
- 例えば項目scriptのテンプレートを見てみましょう。上記は項目script例の目次の一部ですが、非常に細かくテンプレート例が用意されています。
サイトに導入したい任意のscriptを選択し、scriptをコピーして活用できるため、事業者の作業工数を大幅に削減してくれます。各scriptのテンプレートは下記のリンクからご確認できます。
まとめ
今回はShopify Plusを活用した「複数属性へ向けての柔軟な割引対応」についてご紹介しました。Shopify Plusには「Shopify script」と呼ばれる機能が用意されています。短いscriptの記述だけで条件設定を実現でき、アプリの導入やデフォルト機能ではカバーできない複雑な機能を導入できます。
またShopify scriptには目的に合わせたテンプレートが用意されており、公式サイトからコピーして編集を加えることで、自社のShopifyサイトでの活用が可能です。
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