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開発者目線で見る、ShopifyとEC-CUBEの違い【基本編】

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refactoryではこれまでShopify認定の「Shopify Experts(ショッピファイエキスパート)」として、サイトの構築や移設、アプリの開発に取り組んできました。

今回はこれまで蓄積してきたノウハウの中から、ShopifyとEC-CUBEの違いついて、開発者目線で解説したいと思います。

ShopifyとEC-CUBEの違い

まずは、ShopifyとEC-CUBEの違いについて、基本的なポイントを整理しておきたいと思います。

shopifyは2006年にリリースされた、ASP型のEC構築プラットフォームです。世界175ヵ国で170万店舗を超えるユーザーが利用しており、サブスクリプション型の料金設定と、アプリを利用してサイトを拡張できる利便性の高さから人気を集めています。また、自社でサーバーを用意する必要がないため、管理面の負担が軽減される点も強みです。

EC CUBE

一方のEC-CUBEは、日本発のオープンソース型のEC構築サービスです。最大の特徴は、オープンソースという強みを活かした無料でのサービス提供。自由度が高く自社サーバーで運用するため、カスタマイズ性に長けたサービスとして知られています。機能の追加には、プラグインを使用しています。

開発者が感じたShopifyとEC-CUBE2つの違い

さて、これまでrefactoryではEC-CUBEからShopifyへのサイト移設や、Shopify単体でのサイト構築などさまざまなプロジェクトに取り組んできました。

それぞれのサービスには別々の違いがあるため、開発過程でもさまざま面で特徴的な点が見受けられました。その中でも今回ご紹介したいのが、サーバーとアプリについてです。

自社サーバーを持たないメリット・デメリット

Shopifyは多彩なアプリを利用して手軽に機能の追加を行える自由度の高いサービスですが、すべての面が自由という訳ではありません。とくに自社サーバーを持たないという点は、開発者目線でさまざまな苦労があります。

例えば、自社サーバーを持つEC-CUBEであれば、新たな機能を追加したい場面でも、すでに構築済みのサーバーやデータベースをそのまま利用して開発・改修作業に着手することができます。

一方のShopifyで機能を追加する場合には、まず

  • フロント側の改修で済ませられないか?
  • 膨大な数の既存アプリの中に、ニーズに合うアプリは存在するか?
  • アプリを新たに開発する必要があるか?

といった判断が求められます。

いざアプリを開発する場合でも、新たにサーバーやデータベースを用意しなければならず、こちらも自社サーバーを持たないデメリットといえます。また、フロント側の改修や既存アプリの調整をする場合は、データベースがなくログが残っていないため、どこから手を付ければよいのか調査に手間取るケースも見られました。

こうした仕様を踏まえて効率的に作業を進めるには、エンジニア側にノウハウの蓄積や一定水準のスキルが求められます。ある程度作業を進める上での「あたり(目星)を付けられ能力」や、改修や調整、開発など「最善策はどれなのか判断する能力」が必要となってきます。

Shopifyアプリに対しての信頼の高さ

一方でShopifyのメリットとしてアプリの存在が挙げられます。

Shopifyは有料・無料を含め、6,000種類以上のアプリが存在します(2021年9月現在)。サイトに機能を追加する場合はこのアプリを用いることで簡単にサイトを拡張することが可能です。

EC-CUBEにもプラグインを追加する機能が用意されていますが、実際に現場レベルでプラグインを追加すると、サイトが動かないといったケースが見られました。これはEC-CUBEの自由度の高さが裏目に出てしまった例で、エンジニアが独自のカスタマイズを加えたことで、プラグインが正常に動作しないことが原因でした。

例えば、

  • 前任の開発者からの共有ができていない
  • 他社からサイト引き継いだ
  • 改修を依頼された

などのケースでは、どのようなカスタマイズを加えたのかが把握できず、作業時間が大幅に増えてしまうことがありました。

Shopifyではこうした状況でも、そもそもデータベースがないため、アプリを追加する際のトラブルが格段に少なくなります。開発者目線では、トラブルの発生や予期せぬ作業に手間を取られる煩雑さが減るため、安心感や信頼感が高いサービスといえます。

また、Shopifyのアプリを公開するには、Shopify側の審査を通過する必要があります。審査については過去の記事でもご紹介しましたが、非常に厳格な基準を設けており、この点も安心感や信頼感を持ってサービスを利用できる理由の1つとなっています。

【関連記事】
>>Shopifyアプリの審査への取り組みと課題解決のご紹介

まとめ:ShopifyとEC-CUBEどちらを選ぶべきか

最後に、これからECサイトを構築する、あるいはサイトの移設を考えている事業者は、ShopifyとEC-CUBEどちらを選ぶべきなのか、ポイントをまとめてみましょう。

【EC-CUBE】

  • サイトに特殊なカスタマイズを加えたい
  • 決済手段に自由度を持たせたい
  • メディアやコーポレートサイトのようなブログ機能を持たせたい・連携させた

まず、サイトに独自性の高い特殊なカスタマイズを加えたい、特殊な商材を取り扱っているという事業者は、カスタマイズ性の高いEC-CUBEがおすすめです。また、決済手段に自由度を持たせたい場合や、メディアサイト、コーポレートサイトのようなブログ機能を持たせたい・連携されたい場合もEC-CUBEが向いています。

【shopify】

  • 中小規模のサイトを運営したい
  • アプリを機能で手軽にサイトを構築したい
  • 越境ECを視野に入れている

一方のShopifyでは、中小規模のサイトを運営したい事業者や、アプリを使って手軽にサイトを構築・運営したいという方にはおすすめです。当初Shopifyには「日本の商習慣に対応できていない」といった声も多かったですが、この1年で日本語圏への対応が格段に進歩ています。情報やノウハウの蓄積も進んでいることから、今後ますますニーズが高まることが予想されます。また、Shopifyは越境ECにも柔軟に対応できるため、海外展開を視野に入れている方にもおすすめのサービスと呼べるでしょう。

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