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Shopifyが発表した新テーマDawnの解説とエンジニア目線での印象について

Shopifyが発表した新テーマDawnの解説とエンジニア目線での印象について

2021年の6月に開催された「Shopify Unite 2021」において、大きな注目を集めたのがOnline Store 2.0です。

Shopifyが「歴史上最大規模のプラットフォーム投資」と呼ぶ今回の発表では、最新の無料テーマ・Dawnが公開されました。

今回はDawnに関する解説と合わせて、refactoryで実際に使用した際の印象についてエンジニア目線で解説します。

Shopifyの最新テーマDawnとは?

Dawnは、Shopify Unite 2021においてShopifyが発表した最新の無料テーマです。

Dawnはテーマはこちら
ShopifyブログによるDawnの紹介記事

テーマの表示速度が格段に向上

最大の特徴は、格段に向上した表示速度。従来までは、テーマの構造上の仕組みから、表示速度が低下することがありました。しかし今回発表されたDawnでは、これまでのデフォルトのテーマであったDebutに比べ、35%速度が向上。これにより、サイトでの高いパフォーマンスが期待できるようになりました。

これはSEOの視点からはもちろん、コンバージョン率の向上という点からも見逃せない変化です。

サイトの表示速度とコンバージョンには強い相関関係があり、Googleが発表した2018年の調査では、サイトの表示速度が1秒から3秒になると直帰率が32%増加することが分かっています。5秒では90%、10秒では123%と、表示速度が遅くなるほど直帰率が増加する傾向が見て取れ、今回のDawnの発表による表示速度の変化はサイトのコンバージョンにも大きく貢献してくれるでしょう。

カスタマイズ性が向上しテーマの作り込みが可能に

また、Dawnのもう一つの特徴として、抜群のカスタマイズ性が挙げられます。

トップページ以外にもセクションが追加できる上、主要なセクションはブロックに分解されているため、ブロックの追加、削除、並べ替えといったカスタマイズが容易に行えるようになりました。

ショップオーナーからすれば、自社のサイトを作り込む上での幅が生まれ、細かな部分のデザインやユーザビリティの高いサイト構築が実現できます。

カスタマイズ性が高まった故の懸念材料を考慮する必要がある

さて、私たちrefactoryでも先頃、Dawnを使用したサイトの制作に取り組みました。

すでにご紹介したように、カスタマイズ性が非常に向上し、エンジニア目線でも作り込みがしやすいテーマであるという感想を持ちました。表示速度のパフォーマンスも良好で、とてもポジティブ印象を持つことができました。

一方で、いくつか懸念すべきポイントも散見されました。例えば、カスタマイズ性が向上したことで拡張性を持ったテーマを構築することが可能となりましたが、あまりに複雑過ぎる設計を行うと、専門知識に乏しい事業者では管理の負担が大きくなる恐れがあります。

この部分は、「誰がサイトを管理するのか」という視点が重要で、

  • 専門知識のあるエンジニアが所属するショップなのか
  • 一般的なリテラシーのショップオーナーなのか

など、実際にサイトを運営する人を想定した設計が必要となってきます。

販売を想定したテーマの開発を行うのであれば、操作性をきちんと考慮した上でのカスタマイズが重要となってくるでしょう。

まとめ

今回は、Shopifyが発表した新テーマDawnの解説、エンジニア目線での印象についてご紹介しました。

Dawnは従来のテーマに比べ、表示速度が格段に向上。これにより、SEOはもちろんコンバージョンへの貢献など、高いパフォーマンスを発揮することが期待できます。また、抜群のカスタマイズ性をそなえているため、テーマの作り込みがしやすいといったメリットを得ることができます。

一方で、自由度が高まったことで、より「管理者」目線でのテーマの開発が重要になるという印象を持ちました。あまりに複雑な設計は、管理の負担となってしまうため「誰がサイトを管理するのか」という視点を明確にした上で、テーマの開発を進めていく必要があるでしょう。

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