今回はShopify Plusを使わずに複数サイトのポイントを共通化する取り組みについてご紹介します。
ご依頼をいただいたお客様は複数のShopifyサイトを運営しています。今回のご依頼では「別々に運営していたサイトのポイント機能を共通化したい」とのご相談をいただきました。ポイント機能の共通化ができれば、複数のサイトをまたぐ形でポイントを利用できます。ユーザーの利便性が高まるだけでなく、サイト間の相互集客にも効果的です。
【Issue:課題】別々に運営していたShopifyサイトのポイント機能を共通化したい
今回ご依頼をいただいたお客様からは「別々に運営していたShopifyサイトのポイント機能を共通化したい」とのご相談をいただきました。
複数のShopifyサイトで、別々に運用しているポイント機能を共通化するには、大きく2つの課題があります。
なりすましの可能性がある
1つ目はなりすましの可能性があること。
たとえばメールアドレスを使って会員登録する場合、本人が登録したか確認するステップを設けていないサイトでは、なりすましの恐れがあります。サイトAとサイトBに登録したのが同一人物か特定できないため、そのままポイントを共通化してしまうにはリスクがあります。
費用の負担が大きくなる
2つ目は費用の負担が大きくなること。
第一の課題である、なりすましを防ぐために検討したのが有料の認証サービスの導入です。
Shopifyの「マルチパスAPI」を利用すれば、サードパーティの認証基盤サービスと手早く接続することが可能です。しかし「マルチパスAPI」の利用には、Shopifyの上位プランShopify Plusの契約が必須となります。加えてサードパーティの認証基盤サービスは利用費がユーザー数に比例するため、サイトの規模が大きくなればなるほど、サイトの運営者に負担を強いる必要がありました。
【Solution:解決】Admin APIとストアフロントAPIを組み合わせて共通ログイン化を実施
さて、複数のShopifyサイトでのポイント共通化を検討した結果、
- なりすましの可能性がある
- なりすまし防止には費用の負担が大きくなる
という2つの課題が挙がりました。
そこでrefactoryでは、上記の2つの課題を解決するための認証システムを新たに開発することにしました。具体的にはShopifyのAdmin APIとストアフロントAPIを組み合わせることで、共通ログイン化を実現する開発方法です。
他の方法に比べ安価にポイント共通化を実現できる
refactoryがこの手法を用いた理由として、安価にポイントの共通化を実現できる点が挙げられます。
「課題」の部分でもご紹介したように、既存のAPIは費用の負担が大きくなります。たとえばShopify Plusの月額料金は2,000USドル(約26万円。1ドル115円)です。年間で計算すれば数百万円のコストとなり、ポイント共通化を実現するだけに登録するには負担が大きいといえます。
またサードパーティの認証基盤サービスを導入すれば、ユーザー数に比例して利用費が発生するため、費用負担はさらに大きくなります。新たなシステムの開発であれば、開発費用だけの負担となるため安価に目的を達成できます。
また今回refactoryが採用した方法では、自社でデータベースを保有する必要がありません。そのため情報流出といったセキュリティリスクを心配する必要がない点も、大きなメリットと言えるでしょう。
まとめ
今回はrefactoryが取り組んだ、Shopifyの複数サイトのポイントを共通化する取り組みについてご紹介しました。
複数サイトのポイント共通化を検討したところ、
- なりすましの可能性がある
- なりすまし防止には費用の負担が大きくなる
という2点が課題となりました。そこでrefactoryでは「Admin APIとストアフロントAPIを組み合わせた共通ログイン化」の開発作業を実施。その結果、既存のAPIを導入するよりも安価に目的を達成できました。また自社でデータベースを保有しない仕組みを採用することで、セキュリティリスクを軽減できたのも、今回の開発のメリットです。
refactoryではShopifyエキスパートとしてアプリ導入時のアドバイスや、サイトに適した形へのカスタマイズを提供しています。また、自社アプリの開発にも取り組むなど、Shopifyへの高いノウハウを元に、お客様への最適なご提案を行っています。
Shopifyに関するご相談があれば、お気軽にrefactoryへお問い合わせください。