Shopifyでは幅広い種類の決済方法が用意されています。決済方法の充実はユーザーの利便性向上に繋がりますが、具体的にどの決済方法がどれほど利用されているのかは、事業者にとって気になる項目です。
そこで今回はrefactoryが運営に関わるShopifyサイトのデータを紹介しながら、利用率の高い決済方法の種類をご紹介します。
インターネットで使用する決済手段の現状
まずは、インターネットで使用する決済手段の利用率について基本的なデータをおさらいしておきましょう。
総務省が実施した『令和2年 通信利用動向調査報告書』によると、インターネットを使って商品を購入する際の決済手段推移は、上記のような結果となりました(複数回答あり)。
クレジットカード払いの割合は全体の7割を超えており、ユーザーの利用率が高いことが分かります。次いでコンビニ支払いが約4割、代金引換と銀行振り込みが3割弱といったデータが出ています。
直近の動向としては、キャッシュレス決済が増加傾向ですが、キャリア決済(通信料金・プロバイダ利用料金への上乗せ)は横ばい傾向であるのに対し、電子マネーによる支払は増加傾向にあります。それでも、依然としてクレジット決済やコンビニ支払いといった方法が、ECサイトの決済方法としては主流といえるでしょう。
事例別データで見るShopifyサイトの決済方法
上記のデータからは、ECサイトにおける決済方法の全体像を見ることができますが、実際には商材やユーザー層によって決済方法の割合は大きく変化します。
そこでここからは、refactoryが運営に関わるShopifyサイトのデータを元に、商材別やユーザー層による違いについてご紹介します。
事例1.refactoryが運営するイノホイ
【決済方法の割合】
- クレジットカード 20%
- コンビニ決済 11%
- 代引決済 31%
- 銀行振替 13%
- Amazon Pay 13%
【ユーザーの属性】
- 35?45歳(全体の4割以上が45歳以上)
- 男性7割 女性3割
まずは当社が運営するイノホイのデータです。決済方法の割合でもっとも多いのが代引決済の31%、次いでクレジットカード決済の20%という結果が出ています。
イノホイが販売する鳥獣被害対策グッズは比較的年齢層の高いユーザーが購入する傾向が強く、全体の40%以上が45歳以上の年齢層となっています。一般的に決済方法は年齢層が高いほど現金を使用する“安心感”を重視するため、代引決済の割合がもっとも高くなったと推察できます。それでも、総務省の調査では圧倒的にユーザーが多かったクレジットカード決済が、代引決済よりも少ない点は興味深いポイントです。
事例2.BtoB商材を販売するサイト
【決済方法の割合】
- クレジットカード 52%
- コンビニ決済 11%
- 代引決済 31%
- 銀行振替 4%
【ユーザーの属性】
- 25?34歳(全体の3割程度が45歳以上)
- 男性6割 女性4割
続いてBtoB商材を取り扱うShopifyサイトのデータを見てみましょう。決済方法ではクレジットカードがもっとも多く52%。次いで代引決済が31%、コンビニ決済が11%となっています。
こちらのサイトではユーザーの属性が25?34歳と、前述の鳥獣被害対策グッズのサイトよりも若い世代構成となっています。そのためクレジット決済の割合は5割以上と多いものの、代引決済を利用する割合は30%以上で同水準となっています。年齢層が高いほど現金を使う決済を選ぶ傾向が強いのは事実ですが、必ずしも年齢だけが理由ではない点がこの事例からは伺えます。
事例3.アパレル商材を販売するサイト
【決済方法の割合】
- クレジットカード 62%
- 代引決済 17%
- PayPal 8%(海外注文)
【ユーザーの属性】
- 35?44歳(45歳以上が全体の15%に満たない)
- 男性8割 女性2割
最後に、アパレル商材を取り扱うShopifyサイトのデータを見てみましょう。
決済方法の割合は、クレジットカード決済が62%、代引決済が17%、海外注文向けのPayPalが8%という結果になっています。
同サイトのユーザー層は比較的年齢が若く、海外注文が多いためECに馴染みのあるユーザーが多い傾向にあります。「ITリテラシーが高い」と言い替えることができますが、それでも17%のユーザーが代引決済を利用している点は特筆すべき項目です。
Shopifyでは日本の商習慣に合わせた決済方法の導入が必要
さて、ここまで3つのShopifyサイトの決済方法のデータをご紹介してきましたが、大きく2つの傾向が見て取れました。
- 商材やユーザー層によって決済方法の割合は変化する
- どの商材においても代引決済のニーズが高い
ECではクレジットカード決済が主流ですが、商材やユーザー層が違えば必ずしもクレジットカードが決済方法としてニーズが高いとは限りません。実際に、事例1の鳥獣被害対策グッズを販売するサイトでは、クレジットカードよりも代引決済の割合が高い結果が出ていました。このことから、決済方法を採用する際は自社の商材との相性やユーザーのニーズをしっかり把握して、適切な決済方法を準備することが大切といえます。
とくにShopifyでは幅広い種類の決済方法と連携が可能ですが、無理に決済のラインナップを増やすのではなく、主力の決済方法を見極めて導入を進めることが大事でしょう
また、どの事例でも共通しているのが代引決済のニーズが高い点です。トラディショナル(伝統的)な決済方法というイメージが強い代引決済ですが、依然として日本の商習慣ではニーズが高い傾向が伺えました。これは現金の“安心感”や使い慣れた決済方法への“利便性の高さ”が背景にあります。
ECでは近年キャッシュレスやオンライン決済がトレンドとなっていますが、ユーザーのニーズとして代引き決済が根強く残っている点は押さえておきましょう。
まとめ
今回はrefactoryが運営に関わるShopifyサイトのデータを元に、決済方法の利用率についてご紹介しました。
決済方法の利用率は商材やユーザー層によって変化しますが、特徴的だったのが代引決済の利用率が高かった点です。代引決済は日本の商習慣に馴染みがあり、現金を使って取引を行う“安心感”もニーズが高い理由です。
Shopifyのデフォルト機能では、Cash on Deliveryという名称で代引決済機能が用意されていますが、「詳細な手数料の設定ができない」点や、「発生した手数料が合計金額や発注メールには反映されない」といった点がネックでした。
refactoryではこうした課題を解決し、より手軽に代引決済を導入できるShopifyアプリ『MR.DAIBIKI』を提供しています。アプリ上で手数料を事前に設定するだけで、代引手数料を自動計算。ノーコードで簡単に利用できるため、エンジニア不在でも安心してご利用いただけます。
Shopifyサイトでの代引決済の導入をご検討中なら、refactoryの『MR.DAIBIKI』をぜひお試しください。