refactoryでは先頃、Shopify(ショッピファイ)向けに独自開発したアプリ「MR.POINT」をリリースしました。
アプリの公開には、Shopifyによる審査を通過する必要がありますが、今回はrefactoryが審査過程で直面した課題や、その対処についての取り組みをご紹介します。
MR.POINTとは?
MR.POINTはrefactoryが独自で開発した、Shopify向けの会員ポイント発行アプリです。
アプリをインストールするだけで、ショップ独自の報酬ポイントプログラムを簡単に構築することが可能。ノーコードで利用できるため、自社にエンジニアがいない場合でも手軽にポイント機能を実装することができます。
また、商品・顧客のタグ別に報酬ポイント付与率を設定できる機能や、サイトのカラーに合わせたデザイン設定機能も搭載するなど、利便性・機能性に優れたポイントアプリに仕上がってます。
https://apps.shopify.com/mr-point
アプリの審査過程での課題と取り組み
Shopifyではサービスの質やユーザビリティを保つために、アプリを公開する上での審査プログラムを設けています。
今回refactoryでも、MR.POINTをリリースするために、審査プログラムへの申請を行いましたが、審査過程では大きく2つの課題に直面しました。
1.最新のサービス仕様への対応
1つ目は、最新のサービス仕様への対応です。
Shopifyへアプリの審査申請を行った当初、インストール機能の部分でShopify側から複数回にわたって修正を求められました。原因は、Shopifyが提示している最新のサービス仕様に対応できていなかったため。
Shopifyでは、GoogleのCookie廃止や最新のセキュリティに合わせて、サービスの仕様を柔軟に変更しています。一方で、こうした情報の共有が追いついていないケースや、ライブラリにバグが残っているケースなどが散見されました。そのため、審査で指摘された修正箇所が具体的にどこを指すのか把握する際に時間を要してしまいました。
Shopifyもまだ過渡期にあり、サービスも現在進行形でアップデートを続けています。アプリの開発に取り組み上では、絶えず最新の情報を取り込みながら、エンジニアがShopifyの仕様への理解を深める必要があります。また、開発過程で得られたノウハウをきちんと社内やチームで共有しておくことも重要なポイントです。
日本語と英語によるコミュニケーションの齟齬
2つ目は、日本語と英語によるコミュニケーションの齟齬です。
Shopifyでは審査申請時にリスト(アプリストア上の掲載内容)を記入する必要がありますが、リストの項目は可能な限りすべて記入するよう公式にアナウンスされています。この点は審査においても重視されている部分で、refactoryでもそれを想定して念入りにリストを作成しました。
しかし審査を行うレビュアーからは、「きちんとリストを網羅してほしい」との要望を、複数回求められてしまいました。チーム内で原因を探った結果、レビュアー側が翻訳ソフトを使って日本語を英語に変換してから、審査を実施しているのではないかという予想に至りました。
今回refactoryでは日本向けのアプリとして、MR.POINTを開発しています。リストも日本のユーザーを想定して日本語で申請を行いましたが、Shopify側のレビュアーが日本語に堪能であるとは限りません。今回のケースのように、翻訳ソフトを利用してやり取りをすることで、リストの申請内容が正しく伝わっていないというケースは、今後も十分想定される事案です。
refactoryではこの課題に対処するため、申請リストに掲載する日本語の文章を、事前に翻訳ソフトを使って英語に変換。変換後の英語が文章としてきちんと意味を成しているかチェックすることで、課題をクリアしました。
こうした日本語と英語によるコミュニケーションの齟齬は、Shopifyが海外サービスであることを考えれば、今後も十分想定されます。日本のエンジニアは、英語を前提としたコミュニケーションを意識しておくことで、齟齬を減らす工夫を施す必要がありそうです。
まとめ
今回、Shopifyアプリの審査の過程で得られたノウハウは、今後のアプリ開発をよりスムーズに進行する上で貴重なものとなりました。
本文でも触れたように、Shopifyは海外サービスであるため、日本向けの情報がまだまだ少ないのが現状です。こうした中で自ら課題を解決しながら得られたノウハウは、大きな価値を持ちます。
refactoryでは今後も、蓄積されるノウハウを十二分に活用しながら、Shopifyアプリの開発・提案に取り組んでいきます。